2012年10月10日水曜日

【日記】絵描きは食っていけるのか?

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一流のマンガ家になりたいなら、
風呂に入りたいとか、歯を磨かなくてはとか、
そんなことを考えていてはいけない。

/ 松本零士



1枚3万円でも高すぎる! ソーシャルゲームイラストの適正料金はおいくら?
http://www.cyzo.com/2012/10/post_11594.html

イラストのお値段の話。
↓の方が実態に近い印象。

イラスト料金相場
http://www18.atwiki.jp/illustsns/pages/13.html

今日はそんなイラストレーターの人の話。
特に「キャラクターを描きたい!」と思っている学生さんに向けて。



学生さんのイラスト作品を見る機会が結構あるのですが、最近は学校でもキャラを描きたがる人が多いそうです。昔からその傾向はありましたが、ソーシャルメディアの発達などによって「自分にも出来る」感が広がった為か、以前よりも希望者が増えているそうで。

学校の方も商売ですから、バンバン学生さんを受け入れます。

じゃあ、その人達は食えるのか?



コンシューマーや複数のカードゲームの制作現場を見たり聞いたりした上での雑感。。

まず、ソーシャルゲームの隆盛に合わせて、カードイラストの需要は急増しています。一方で pixiv みたいなサイトが出てきた事で描き手さんも増えています。結果としてお値段は二極化。上手い人は高くなり、下手な人は安くなる傾向に。

イラストレーターさんへの発注は中間業者さんがとりまとめている事が多いんですが、そのフィルターを通っても、出てくるイラストレーターさんの10%くらいは下手で辛いレベル。それでも今のところは需要があるので急ぎで安いお仕事はありますが。



よく「カード発注のギャラや納期があり得ない」という話がネット上で出てきます。もちろん中間業者さんがダメな場合もあるんですが、それとは別にやはり上手い人は優遇され、下手な人は厳しい状況を強いられたりします。

社会は学校ではないので、残酷です。むしろフリーランスならなおの事。下手な人には価格以前にチャンスすら回ってきません。

イラストレーターさんの実態は芸能人のような水商売に近く、一般的なビジネスとして語るのはちょっと難しい気がします。



あえて上手さにランクを付けると

 A 有名で超上手い。
 B 無名だけど実力がある。
 C 悪くは無いけど魅力がない。
 D イマイチ。
 E 下手過ぎて、無理。

で、これの比率は

 A+Bが全体の10%。
 C+Dが85%。
 Eが5%くらい。

あくまで僕視点ですが。ちなみにこれは「仕事として受けている人達」つまりプロであって、アマチュアは含みません。



アマチュア、ほとんどは学生さんだと思いますが、その総数が程度の量居るのかはよくわかりません。ただ、学校の作品展や就職用のポートフォリオを見る限り、キャライラストの仕事を出来そうな人は10%居るかいないか。しかもそのうちの9割はC~Eレベル。



で、上の価格表を見ると、一般的なギャラで4万くらい。
月40万稼ごうと思うと、毎月10枚描く必要があります。
毎日仕事するなら3日に1枚。
土日を休むなら2日に1枚。

かなりのハードペースです。
雑感ですがイラストレーターを自称する人達の中で、イラストだけで食える人は10%も居ないんじゃないでしょうか。



厳しい数字ばかりです。
では、(キャラ)イラストレーターになりたいという夢を諦めるべきか?

意外と、そんな事もありません。
専業でなくてもメインの仕事を持ったままポツポツと描く人や、会社に所属して受託仕事をこなす人は沢山居ます。

CGやUIデザイナー、背景を描きながらキャラを描くチャンスが巡ってくるのを待つような生き方です。別にプログラマーやりながら描いたって構わないのです。

フリーランスにしても、なんだかんだでポツポツと仕事はありますし、いざとなればバイトでも生活保護でも生きていく方法はなんなりとあるわけです。あ、いや、生活保護はダメかもしれませんが。



という事で、外野から見ている限り、イラストレーターさんというのは概ね

 ・やりたい事はまず出来ない。
 ・でも、生きていく事は出来る。

こんな仕事に見えます。

どんな仕事でも同じですね。これは。
一流になるのは無理でも、生きていくだけなら案外なんとかなるっぽいです。


ということで、未来のイラストレーターさん達に光アラン事を。
では。


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