2013年2月27日水曜日

【備忘録】飲み会の幹事 todo

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我々は人生という大きな芝居の熱心な共演者だ。
/ ハンス・カロッサ



こんばんは。ジ・エンドオブジェネシス・ヨコオタロウ・タイブDです。

ここ数年「ゲームのプランナーとかは飲み会を開催するべきだ」という主張をしているのですが、一向に理解者が現れません。飲み会の幹事にはプランナーやディレクターに必要なスキルが詰まっていると思うのですが。

という事で、本日は飲み会を開催するまで流れをご紹介。
別名備忘録。



1・イベント調整ページを作る。

イチイチ全員にスケジュールを聞くのは面倒なので、イベント調整サービス(複数あります)から、適当に調整ページを立ち上げます。以下は僕の愛用している調整さん。

調整さん
http://chouseisan.com/

スケジュール部分に日程を入れるのが面倒そうに見えますが、エクセルで日程をサーッと作ってコピペすれば大丈夫です(※)。

※エクセルで日付を生成する方法。
・セルに「1月1日」「月曜日」と横並びに入れる
・上記の二つのセルを選ぶ。
・選んだセルの右下に小さな黒い四角が現れるのでそれを下にドラッグ。
・すると、日付と曜日が自動生成される。
なんでこんな事まで書いてるのか。



2・メールを送る。

調整さん出来たらコピーしてメールにします。

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みなさまこんにちは。ヨコオです。

そろそろ例の飲み会を開きたいと思います。
場所は新宿あたりで、時間は20時頃。
皆様の都合の良いスケジュールを以下に入力してください。
(調整さんのURL)

入力期限は○月△日まで。
よろしくお願いいたします!
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こんな感じで。
ここで重要なのは「入力期限」です。
これを書いてるかどうかでプロ幹事とアマ幹事の違いが出ます。なんだプロって。

なんで入力期限が重要なのかは面倒なので書きませんが、色んな立場の人になって想像してみてください。



2・店を決める。

次に店を決めます。希望を募集してもロクなの集まりませんから、適当に2案くらい出して投げて決めてしまいましょう。沢山飲み会をやって思ったんですが、いくら調査しても店選びを失敗する時は失敗します。

あまり期待させずに「私が幹事をやると自動的に和民になります。気分が良ければ和民ダイニングになります」的な事を添えてもいいかもしれません。



3・金を集める。

金は前日までに集めてしまいます。後から集めるとトラブルの元です。ドタキャンする人も居ますし、ドタキャンする人も居ますし、ドタキャンする人も居ますから。

どうしても後から回収しなくてはいけないときは、会費にあらかじめ10%くらいの上乗せをしておきましょう。全員来たら返せばいいのです。追加で出させるのは難しいですが、返すのは簡単です。

ちなみに、欠席者分を幹事が負担するのは最悪の手段です誰も幸せになりません。それくらいだったら後からでも取り立てに行きましょう。



4・飲む。

まあ、吐かない程度に飲みましょう。



5・学習する。

さて、無事に飲み会を終えた後ですが、ここからが重要です。
幹事をこなした貴方はいろんなトラブルに巻き込まれました。
主にだらしない参加者が引き起こしたものです。

しかしこれらのトラブルは、貴方が学習する為のとても良い教材です。特にゲームプランナーにとって。

何故良い教材なのか……おっと誰か来たようだ。


それでは。


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2013年2月20日水曜日

【日記】インタビューの未来

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気持ちよかったですね~。
もうね、ほぼイキかけました。
……えぇ、すんません。

第2回WBC優勝インタビュー / イチロー



僕はことある毎に「インタビューは嫌いです」と言ってるんですが、過去に電撃さんのインタビューで「何故インタビューがキライか?」についてインタビューに答えていました。もうこの行だけで「インタビュー」って4回も書いてて逆に好きじゃないのか感すらありますが。

ということで、そのインタビューから「何故インタビューが嫌いか」について自分の回答だけ抜粋。

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1:自分のしゃべりがおもしろくないのがイヤです。文章ならある程度は見返せますが、口頭ですと修正がなかなかできませんし、後から読み返して「あ、こういえばよかった」と後悔することもしばしばです。

2:自分の発言を変えられることがイヤです。文字スペースや公開範囲の関係で、編集が必要なことは理解していますが、言っていない内容になったりニュアンスが変わったりすることに対して非常に苦痛を感じます。

3:人様の文章を修正するのがイヤです。自分が修正されたくないのと同様に、他の方がせっかく作られた文章に赤を入れるのはツラいです。一生懸命作っていただいたと思うと余計に苦しいです。

4:そもそもメディアで全面に出ることがあまり好きではありません。自分自身ではなく製品や登場人物を好きになってもらいたいので、なるべく裏方に徹していたいです。

5:自分はみなさんにお見せするような容姿ではありません。官能小説に著者近影があってそこにヒゲオヤジがいたら萎えてしまうように、自分が表に出ることで作品にネガティブな印象が入るのが好きではありません。

6:ディレクターばかりがインタビューを受ける事をよいとは思いません。開発は集団作業であるにもかかわらず、取材はどうしてもディレクターやプロデューサーに集中します。そういう風に一部の人間が前に出る構図はキライです。

7:ウソや隠しごとをするのは好きではありません。発売前のインタビューなどではどうしてもネタバレを避けざるをえません。そうした状況で核心を突かれるようなことを聞かれた場合には隠しごとをすることになってしまい、結果的にツライです。
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書いてる自分もスゴイけど、これを掲載した電撃さんもスゴイですが。



で、そんなインタビューについていくつか質問を受けたりもするのでここで回答。

Q:
ヤダヤダ言ってる割にはインタビュー受けてますよね?あと生放送とか。

A:
差別するのは好きではないので、一個の媒体で受けたら他のどんなモノも同様のルールで受けます。結果として増えます。あと最近判ったんですが、製品じゃなくて個人についてのインタビューはそんなに苦じゃない気がしてきました(製品世界から離れてるから)。あ、でもやっぱり苦手かも。

Q:
インタビューのサイト( http://theinterviews.jp/yokotaro )は何で平気ですか?

A:
口頭じゃなくて文章だから平気です。文章はある程度コントロール可能ですので、むしろそれは表現の場として捉える事が出来ます。だからインタビューを受ける時も出来る限りメールインタビューがいいです(が、その願いはなかなか叶わない)。それに、上記サイトはプロジェクトに関係ない質問限定なので色んな意味で平気です。



雑誌の編集の方に「僕はインタビュー嫌いなんですけど、何で雑誌ではよくインタビューするんですかね?」って質問したら「ページを取りやすいから」という話をされていました。

確かにPSが出始めの頃は、ゲームクリエイターがインタビューを受けるのは新鮮なモノがありました。「まるで映画監督や芸能人みたいだ!」的な。映画や現実世界の模倣を目指すゲーム製品そのものの姿のような。

でも、やりとりされる内容が新製品についての当たり障りの無いリリースだったりして次第に飽きられていったような気がします。いや、世間全体は知りませんが、僕は飽きてしまって他の人のインタビューを読まなくなっていきました。



ゲームに限らず映画監督なんかのインタビューも自分の中のバリューを失いました。「作品についてクリエイター側の意向を聞く」くらいだったら、作品そのものを見た方が早いですから。

インタビューを読みたいと思うのは「ものすごく変な人」か「知り合い」くらいですね。ポイントは自分にとって「興味のある製品」ではなく「興味のある人」であるところですか。

でもまあ、これって製品についてのインタビューじゃなくて芸能人へのインタビューに近い気がします。

あとは、引退されたゲームクリエイターさんの「あの人は今」的なインタビューとかあれば読みたい気もしますが。

書いてて思ったんですが、クリエイターのインタビューを読まないんじゃなくて、新製品リリース時の当たり障りのないインタビューが自分は苦手なのかもしれません。



情報化社会が加速し、マスに向けたコンテンツではなく、パーソナライズされた情報や、ソーシャルメディアのような個同士を繋ぐ娯楽が好まれるようになってきました。

製品についてクリエイターにインタビューするよりも、ファンが相互に交流できたり発信出来たりするような新しいコンテンツの場が発達して欲しいなー、そして製品リリース時のインタビューという文化が廃れるといいなー、と思う今日この頃だったりします。


では。


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2013年2月5日火曜日

【日記】最近の不健康具合

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面倒な養生のおかげでやっと自分の健康を保っているのは、
何かやりきれない病気を患っているようなものである。

/ ラ=ロシュフーコー



三日坊主
【読み】みっかぼうず
【意味】三日坊主とは、非常にあきっぽく、長続きしないことのたとえ。また、そのような人のこと。

↑本ブログで自らがこの坊主である事を証明中のヨコオです。



実は、身体の調子が悪くて。
40を越えると身体がポンコツになったのを超実感します。

まずは、不定期に右足の踵から小指にかけた骨に走る激痛。

最初に病院に行った時には原因が良くわからなくて、痛み止めだけ処方されたんですが、これがやたらと痛くて薬も効かないようなレベル。

もう一度病院に行った時にようやく「これが原因かも」と言われたのが歩き方。靴の裏側を見ると外側ばかり減っていたので「親指に体重をかけて歩くようにしてみてください」と言われて実践。

すると痛みが大軽減。
歩き方が根本原因かどうかはよくわからないんですが、とにかく今の痛みはほとんどなくなりました。良かった良かった。



次は、扁桃腺の腫れ。
これはここ2~3年で到来した持病で、ちょっと喉が痛むとそこが腫れて激痛&高熱が出るという病気というか癖です。

インフルが流行っているので注意してマスクとかしてたんですが、家の乾燥でダメージを受けたのか朝から痛み出し。早めに薬をもらって対処したものの、イロイロ無理をしてダウン……扁桃腺を取ってしまえばこの病気は無くなるらしいんですが、その分別の免疫が弱くなるとかで悩ましいところです。



「健康は無くなってからその有り難さに気づくもの」と言われますよね。
しかし、まあ、どっちかと言えば「健康の有り難さに気づく」というより「不健康の辛さを再確認」してるだけな気もします。

似たような格言で「孝行したい時に親はなし」と言いますが、「親がない」という苦痛が「孝行したい」という欲求を生んでいるのかも。影があって初めて形が判るように、苦しみこそが人の感情を形作っているのかもしれない、とたまに痛む足と喉を抱えながら思ったりした次第です。


ではでは


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